事例紹介

MICEフューチャー・アクション エリアシンポジウムに見るコロナウイルス対応

 7月24日(金)に六本木アカデミーヒルズにおいて、MICEフューチャー・アクションが開催されました。本イベントは、コロナウイルス対策ガイドラインに基づいたMICEショーケースを全国10都市の会場で開催し、オンラインでつなぐハイブリッド型のショーケースです。現地会場でリアルに参加された方、オンラインで参加された方、併せて2,000名を超える方々が参加し、大盛況のうちに終了しました。六本木アカデミーヒルズは、メイン会場として基調講演等の会場となるとともに、エリアシンポジウムの会場となりました。今回は、エリアシンポジウムで紹介された、DMO六本木のコロナウイルス対応について紹介します。

DMO六本木でのコロナ対応のユニークな取り組み

 エリアシンポジウムでは、まず、「DMO六本木参加企業の新型コロナウイルス対策取り組み事例紹介」というタイトルでプレゼンがありました。DMO六本木の坂本事務局長自ら、会員施設である六本木アカデミーヒルズ、赤坂インターシティコンファレンス、東京アメリカンクラブ、六本木ヒルズクラブ、虎屋、乃木神社、ホテル&レジデンス六本木に綿密な取材、撮影、編集を行い、それぞれの事例を紹介しました。参加者同士の距離を取ったレイアウト、受付等でのアクリル板の設置などのほか、利用者は見ることのできない、抗ウイルスコーティングの模様など、動画で紹介され非常に参考となるものでした。また、各企業の工夫を凝らした対策事例は、今後のイベント運営においても非常に有益であり、何よりもイベント参加者に感染対策がしっかり取られているという安心感を与えました。坂本事務局長は、計10時間以上かけてDMO会員企業の取材をされたとのことで、そのような普段からの取り組みが、魅力的なユニークプログラムの開発につながっていると思われます。

日頃から会員企業と綿密に連携することがニューノーマル対応のかなめ

 続いて、「ニューノーマル時代のエリアMICEの取り組み」というタイトルでパネルディスカッションが行われました。日本を代表するミーティングプランナーである、株式会社Finesse Hospitality Management代表取締役であり、MPI Japan Chapter 名誉会長の山本氏をモデレーターに迎え、東京観光財団コンベンション事業部次長の藤村と、DMO六本木の坂本事務局長をパネリストに、エリアMICEとしてのDMO六本木の取り組みについて議論が交わされました。東京観光財団が運営するBusiness Events Tokyoでは、ニューノーマルに対する東京の取り組みを紹介していますが、そのような情報発信に加えて、イベント開催においては、プランナーと受入側で細かい調整が必要であり、受入側には価格面も含めた柔軟な対応が求められているとの認識で一致しました。坂本事務局長はじめ、DMO六本木の会員企業は日ごろから互いに密に連携をとっています。インバウンドやMICEの誘致受入にあたっては同じ目線を持つことが必要であり、そのために勉強会や情報交換会を実施するなどの取り組みが、柔軟な対応を可能とするDMO六本木の強みとなっているとのことでした。実際、今回の新型コロナウイルスへの対策に限らず、SDGsのプログラムや、ユニークベニューでのイベント実施に当たっては、エリア内の様々な企業の連携が必要となります。その点でDMO六本木の日ごろの活動は、まさに「ニューノーマル時代のエリアMICE」を推進する上で必要不可欠なものであると言えます。

まさにニューノーマル下での新しい立食パーティーのショーケース

 

 エリアシンポジウム終了後は、懇親会が開催されました。サクラインターナショナル(株)の提供により、対面を避けるため4つや2つに仕切ったカクテルテーブルが設置され、参加者は飛沫を気にすることなくカクテルを楽しむことができました。また、(株)CITABRIAによるケータリングは、一人分の料理が鮮やかにワンプレートに盛り付けられ、料理卓に並ぶスタイルです。参加者はプレートをスタッフから手渡され安心して食事を味わっていましたが、まさに、ニューノーマル下での新しい立食パーティーのスタイルをショーケースする内容でした。

 MICEフューチャー・アクションは、オリンピック1年前となるこの日に、ニューノーマル下でのイベント運営の様々な形をショーケースした、非常に意義のあるイベントでした。DMO六本木の数々の取り組みは、ニューノーマルなど新しい対策が必要な時に有効に機能することも実証されました。これからも、東京観光財団はDMO六本木の会員間の連携を活かした取り組みに注目していきます。