事例紹介

東京都MICEシンポジウム2023 :先端テクノロジーを活用した次世代型MICEの誘致、開催

 

        

resize_1.png

2月13日、東京都及び(公財)東京観光財団は、「東京都MICEシンポジウム2023」を開催しました。このシンポジウムは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による質の高いMICE開催に向けた東京都の取り組みと、ワンランク上のビジネスイベンツ
実現のための最新テクノロジーの活用方法を明示した「TOKYO MICEテクノロジー導入ガイドライン」について、広く発信することを目的として実施されました。

第1部ではまず早稲田大学リサーチイノベーションセンターの稲田修一教授が「次世代型MICEの実現に向けた挑戦」と題し、「東京モデル」とその実現のためのテクノロジーについて講演を行いました。次世代ビジネスイベンツのあり方として展開される「東京モデル」は、いかにテクノロジーを活用してビジネスイベンツ開催の効率化を図るかを示すとともに、我が国の高齢化や生産年齢人口の減少といった社会課題にも対応することで新たな価値をも生み出します。さらに、東京が奨励しているD&I(Diversity & Inclusion)やサステナビリティ等についても、積極的に推進していきます。後半では、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の南澤孝太教授が「先端テクノロジーの活用から探るMICE都市・東京のこれから」をテーマに基調講演を行いました。

第2部では桜美林大学ビジネスマネジメント学群の山口有次教授がパネリストに加わり、「多摩エリア×次世代型MICE」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、登壇者から次世代型ビジネスイベンツ開催地としての多摩のポテンシャルの高さを評価する意見がありました。シンポジウムには地域住民やホテル、旅行会社、コンベンション施設、DMO、ミーティングプランナーなど約200名が参加し、ビジネスイベンツ誘致・開催が地域にもたらす大きなメリットについて、都民やビジネスイベンツ関係者の皆さまの関心を深めていただく機会となりました。

また本シンポジウムでは産学連携の取り組みの一環として、東京工科大学メディア学部・吉岡英樹先生のご協力により、学生チームによるオンライン配信も行われました。

「東京都MICEシンポジウム2023」は、都の南西部に位置する八王子市、立川市を含む多摩エリアで開催されました。昨年10月にオープンしたばかりの「東京たま未来メッセ(東京都立多摩産業交流センター)」は、八王子駅から徒歩5分という好立地にあり、多摩産材を使った温かみのあるデザインが印象的です。2,400平方メートルに及ぶ展示室の天井は「多摩織」をモチーフにしており、かつて「桑の都」として養蚕・製糸・織物の一大拠点として栄えた八王子の歴史を大切に伝えるデザインは一見の価値があります。

本MICEシンポジウムに合わせて、多摩ビジネスイベンツ重点支援エリアである八王子エリアと立川エリアが、resize_2_.jpg東京たま未来メッセにてPRブースを出展し、多摩地域の文化や魅力の紹介を行いました。

シンポジウムの合間には、八王子の伝統芸能で日本遺産の構成文化財でもある八王子車人形が披露されました。伝統的な音楽に合わせて人形が踊り、舞台を力強く動き回る姿が参加者に強い印象を与えました。

その他にも、八王子観光コンベンション協会内のブースでは、染体験や、八王子織物の実演など、様々な体験が披露されました。これらは、実際のビジネスイベンツ開催時のコンテンツとしても活用することができます。

0331_resize_3_染体験_3.jpg0331_resize_4_handcrafts_tamaori_IMG_3068 (1).png

resize_5_VR exp 立川.jpg立川観光コンベンション協会のブースでは、この地域のコンベンション施設やエクスカーションをVR映像で楽しめる体験コーナーが設けられました。昭和記念公園でのセグウェイツアー、ラフティングをしながらゴミ拾いをするSDGsコンテンツである多摩川リバークリーンアクティビティ、多摩の名酒を造る酒蔵等をVR映像で見ることができます。コンテンツの1つにある竹内牧場は東京で唯一、プレミアム黒毛和牛である「秋川牛」を生産している牧場です。

シンポジウム終了後には、立川エリアと八王子エリアにて、エクスカーション及びユニークベニューのショーケースが行われ、各エリアのコンテンツを実際に参加者に体験していただきました。
立川はスポーツとの関わりが深い地域であり、resize_6_Tachihi.jpg今後のビジネスイベンツでもスポーツコンテンツを活用して頂きたいという思いから、1,000名収容可能なドーム立川立飛にてフェンシングを用いたレセプションを行いました。

ウェルカムドリンクとして、会場の近くにある醸造所のビール「Tachihi Dunkel」と「Tachihi Weizen」が用意されました。また、地元業者のキッチンカーにより、多摩で開発されたブランド牛「東京X」をふんだんに使用した餃子や肉まん、地元の醤油を
用いた団子等が提供されました。

0331_resize_7_Reception.jpg0331_resize_8_Reception.jpg0331_resize_9_Reception.jpg

レセプションは、フェンシングパフォーマンスとresize_10_fencing.jpg参加者体験の2部構成で行われました。
第1部では、1988年夏季ソウルオリンピックに出場したフェンシング選手、江村宏二氏により、フェンシングのルールや得点計算をわかりやすく解説して頂きました。また、
トビリシ(ジョージア)ワールドカップ2022で銅メダルを獲得した伊藤心選手を含む
4人のフェンシング選手が、江村氏のルール解説をサポートし、その後エキサイティングな試合を披露し、参加者を楽しませました。

resize_11_fencing tool.jpg休憩時間には、オリンピックフェンシングで使用される3種類の「フルーレ」「エペ」
「サーブル」について、展示コーナーで実際に道具を手に取って学ぶことができました。また、フェンシング選手との交流の場も設けられ、練習方法や大会の様子などを聞くことができました。

最も盛り上がったのは、参加者代表6名が実際にフェンシングを体験した第2部です。
参加者は2つのグループに分かれ、基本的な動きを練習した後、チーム戦に臨みました。実際に体験した方だけでなく、試合を観戦した方にとっても刺激的で楽しい体験となり、チームビルディングのアクティビティとして最適なコンテンツです。その後、優勝チームの表彰と記念撮影を行った後、主催者からの挨拶にてプログラムは終了しました。

0331_resize_12_fencing.jpg0331_resize_13_fencing.jpg

東京の多摩地域にある八王子は、都会の喧騒を離れ、美しい自然や静かな寺院に触れることができるエリアです。八王子観光コンベンション協会が実施したエクスカーションツアーは、世界一の登山者数を誇る雄大な高尾山で行われました。

resize_resize_14_髙尾山薬王院.jpg高尾山には便利な登山方法が複数ありますが、今回はケーブルカーで山の中腹まで登り、その後徒歩で高尾山薬王院御本堂に向かいました。高尾山薬王院御本堂では、商売繁盛を祈願する御護摩祈祷が行われました。参加者が期待に胸を膨らませて待っていると、寺院の奥から法螺貝の音が響き渡り祈祷が始まりました。詠唱、鐘の音、そして御護摩の大きな火が参加者からわずか数メートルのところで焚かれ、参加者にとって唯一無二の体験となり
ました。
resize_15_芸妓体験_3.jpg
続いて、高尾山薬王院の有喜閣へ向かい、ここでは、八王子芸者衆による粋な踊りや三味線が披露されました。芸者衆はまず三味線や小鼓といった楽器を紹介した後、その後実際に唄と踊りを披露することで彼らの高度な技術力を披露してくれました。芸者衆が「小鼓」の縄の締め強度によって異なる音を出す方法を説明した後、参加者が実際に体験できる時間が設けられ、参加者一同で演奏した際には、会場は大変な盛り上がりを見せました。

エクスカーションの締め括りは、高尾山の麓近くにあるホテル「タカオネ」でのレセプションでした。参加者は、開放感に溢れた野外でのBBQやキャンプファイヤー体験だけでなく、八王子の食材がふんだんに使われたビュッフェを堪能しました。
0331_resize_16_タカオネBBQ.jpg0331_resize_17_タカオネ屋内1.jpg0331_resize_18_タカオネ屋内2.jpg

そして、お土産には、参加者一人一人の名前が記された「護摩札」が各自に渡され、特別感溢れる夜となりました。東京観光財団では、今後も定期的に東京の取り組みをビジネスイベンツプランナーの皆様にご紹介していきます。