事例紹介

CLEFT TOKYO 2024:メタバース「MICE@TOKYO」の活用でダイバーシティを推進

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2024717日〜19日、東京大学にて、「第16回国際口蓋裂協会世界大会(CLEFT TOKYO 2024) 」が開催されました。
口蓋裂とは、先天性異常の一つで、日本では約500人に1人の割合で出現するといわれる疾患です。初の東京開催となった本大会では、34カ国・地域から300名が参加し、口蓋裂の予防・治療・患者ケアの更なる進歩に向け、臨床研究の発表やディスカッション等が行われました。

革新的なシンポジウム開催への取組


会期初日には、仮想空間と現実世界を繋ぐ、というユニークな形態で「国際メタバースシンポジウムー全世界の患者さんとご家族の願いと治療に対する期待」が開催されました。患者やその家族が、様々な制約に捉われることなく、悩みや現状を共有できる場を提供したい、という大会長の星和人先生(東京大学医学部附属病院・教授)をはじめとする主催者の想いから実現したものです。

メタバースは、場所や外見、身体障害等に関わらず、バーチャル空間内のアバター(分身)を介して、参加者同士がコミュニケーションできるツールとして、MICEの分野でも活用されています。今回は、国際会議に適した機能を備えたプラットフォームとして、東京観光財団が運営するバーチャル会議施設「MICE@TOKYO」が選定されました。

バーチャル空間で患者と医師が交流

当日は、日本、インド、ハワイ、ニュージーランドから患者・家族がスピーカーとして登壇し、メタバース空間内の講演会場で発表を行いました。一方、本郷キャンパス内の山上会館にはプレゼンテーションの中継会場が設置され、医師や研究者のほか当事者の家族も参加して、バーチャル会場とリアル会場との間での意見交換なども実施されました。

国際メタバースシンポジウムの開催は、「限界を打ち破り、革新をもたらす」という本大会の開催テーマを体現した先進的な試みとして、参加者から高い評価を得ました。自動翻訳機能により、簡易的な日本語字幕を表示させることで聴講者の理解を補うなど、「MICE@TOKYO」を最大限活用することで参加者の身体的、言語的なバリアを軽減し、ダイバーシティの推進が実証される機会となりました。

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なお、このほか、東京観光財団では海外参加者向けの都内ツアーの提供や、会期中のボランティアスタッフ派遣など、開催運営に係る支援を提供いたしました。

東京観光財団では、今後も東京でのMICE開催に係る主催者支援や、有益な情報発信に努めてまいります。