事例紹介

JSPP2024:バーチャル空間を活用した交流拡大への取り組み

42回日本小児心身医学会学術集会(JSPP2024、大会長:国立成育医療研究センター・総合診療科診療部長 永井章先生の開催を控えた2024916日、東京観光財団が運営するメタバース上の会議施設「MICE@TOKYO」にて、プレコングレス懇親会が行われました。
本学会は、小児心身症治療の最新事例の共有や議論の場として毎年開催されており、今年度は参加者間のコミュニケーションの一層の深化に向けた試みとして、バーチャル空間でのネットワーキングが企画されました。

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当日の司会も務められたJSPP2024副大会長の呉宗憲先生東京医科大学 小児科・思春期科学分野にお話を伺いました。

今回、メタバースを活用した懇親会を開催されることとなったきっかけや経緯をお聞かせください
近年、デジタルツールを併用した学術集会のハイブリッド開催がスタンダードになり、現地へ行くことのハードルが高い層も、遠隔での参加が叶うようになりました。一方で、学術集会の目的の一つである「人や知識との偶発的な出会い」については、デジタルでは解決できていませんでした。今回メタバースを活用した懇親会を企画したのは、遠隔参加者にも、シームレスで偶発的な出会いの場を提供するためです。課題はまだ多いですが、当企画により目的の一部は実現し得たと実感しています。

      懇親会では、テーブル毎にディスカッションのテーマを設定する等、交流が円滑に進むような工夫も随所に見受けられましたが、参加者からの反応はいかがでしたでしょうか

      参加者が居場所を見つけられずに立ち尽くしてしまうことを懸念して、各テーブルにテーマを設定しましたが、想定外にみなさん自由に交流されていました。きっかけづくりとしてこのアイデアは有益だったと思いますが、実際にはテーマに縛られず、自由に交流を楽しまれていたように感じます。

        今回のお取組みを通じ、学会や会議の開催におけるメタバースをはじめとした先端テクノロジーの活用について、どのような印象を持たれましたでしょうか
        働き方が多様化している昨今、現地へ訪れずに学術集会へ参加できることはニーズとして大きいと思います。今回の体験から、ポスター発表のような企画にメタバースはマッチする一方、表情やリアクションなど、非言語的コミュニケーションの比重が高く求められるワークショップ等には、まだ課題もあると感じています。今後、画面上の表情や動きがダイレクトにアバターに反映され、それらが滞りなく反映される通信環境が満遍なく整うと、いよいよ学術集会のあり方に大きな変革が訪れるのではないでしょうか。仮想空間でしか出来ないコンテンツが一部の分野にマッチする可能性も感じており、そちらの方向での進化についても期待しています。

    東京観光財団では、次世代型MICE開催の促進に向け、今後も国際会議や見本市等における先端テクノロジーの導入拡大への各種支援を継続してまいります。

    <主催者・事業者の皆さまへ>
    支援制度(助成金)については、こちらのページをご覧ください。