事例紹介

「東京サステナブルMICEショーケース」初開催

2024年12月17日、東京観光財団では、赤坂インターシティコンファレンスにて、「東京サステナブルMICEショーケース」を初めて開催しました。今回、「ここまでできるサステナブルMICE」をテーマとして、都内でMICE開催を予定している主催者やMICE関連事業者を招待し、MICEにおけるサステナブルな取組のモデルを紹介いたしました。

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第一部では、基調講演として、サステナビリティの先進的な取り組みを行っているコペンハーゲンよりCopenhagen Legacy Labのジェイコブ・ケルガード氏にご登壇いただき、「Broad Value from Tourism ツーリズムがもたらす幅広い価値」をテーマにお話しいただきました。

持続可能なMICEの実現を目指すべく「コペンハーゲン・レガシー・ラボ」を立ち上げ、レガシーという開催都市にポジティブなインパクトを与えるMICEのあり方を創造するために、さまざまな取り組みを推進している点をスポーツイベントや国際会議の事例を交えながら紹介し、参加者から関心が寄せられました。

パネルディスカッションでは、『国内におけるカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー対応の現在地』と、『主催者が取り組む意義』をテーマに、会場・事業者・主催者の立場から4名のパネリストによる議論がなされました。

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サステナブルな取組の提案

第二部では、様々なソリューションの展示と、帝京大学書道部によるアトラクションやネットワーキングをお楽しみいただきました。会場内に設けたソリューション展示では、参加者が各ブースを回りながら、出展者への活発な質問や意見交換が行われました。食事については、ASC認証(*1)を取得したシーフードとヴィーガン料理を用意、飲料も地産地消の観点から、東京産の飲料を中心に提供しました。

<ソリューション及び出展者一覧>

1)FSC認証®(*2)・再生利用デザイナーズ家具((株)IROCO DESIGN JAPAN
2)廃棄衣類から生まれたイベント什器((株)ワークスタジオ)
3)サーキュラーエコノミーを実現する装飾((株)昭栄美術)
4)再生可能エネルギー100%運営施設(赤坂インターシティコンファレンス)
5)廃棄物ソリューション・処理事業者ネットワーク((株)サティスファクトリー)
6)障がいを持つ方によるものづくり((一社)レダクラフト)
7)バイオ式生ごみ処理機と生分解性食品容器((株)折兼/SINKPIAJAPAN(株))
8)洗浄機の導入によるマイボトル利用促進(日鉄興和不動産(株)/赤坂インターシティマネジメント(株))
9)植物由来100%の日本を感じる紙の器(スタイレム瀧定大阪(株))
10)持続可能性に配慮したケータリング((株)CRAZY KITCHEN

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ソリューション展示:バイオ式生ごみ処理機 ソリューション展示:マイボトル洗浄機

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持続可能性に配慮したケータリング    ソリューション展示の紹介

(*1ASC認証:責任ある養殖により生産された水産物を対象とする国際的な認証制度
(*2) FSC認証:サステナブルな森林管理・林産物利用を推進する国際的な認証制度

サステナブルMICE推進のための主催者の取組

~サーキュラーエコノミー実現に向けた運営~

本ショーケースの中で、サステナブルなMICEを開催する上で主催者が取り組むべきこととして、「方針策定」「実施」「情報公開」の大きく3つのポイントをお伝えしました。

本ショーケースでは、「方針策定」の一例としてACTION14を紹介し、それに沿った取組の「実施」を行いました。

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サーキュラーエコノミーに関する取組

(1)フードロス/ウェイスト(ごみ)削減:事前アンケートの実施、規格外野菜の活用等
(2)3R+資源循環:施工物のマテリアルリサイクル、マイボトルの推奨、紙製ネームカードの利用等
(3)持続可能な食品調達:国際認証を受けた食材やヴィーガンメニューの提供、地産地消等
(4)適切なごみの分別:リサイクルステーションの設置、スタッフによる分別等
(5)ペーパーレス:事前・当日配布資料のオンライン提供等

カーボンニュートラルに関する取組

(6)再生可能エネルギー100%の施設を優先:赤坂インターシティコンファレンスを利用
(7)徒歩・公共交通機関の利用を推奨:参加者に公共交通機関の利用を事前呼びかけ
(8)CO₂排出量の見える化・削減・オフセット:CO₂排出量予測ツールでの算出・オフセット

多様性に関する取組

(9)多言語/ユニバーサルなアイコンでの案内表示:日英・アイコン表記を実施
(10)登壇者・関係者のジェンダーバランスの考慮:登壇者、関係者のジェンダーバランスの配慮
(11)食に関する制限、宗教的慣習へ配慮:参加者へのアレルギーの事前確認と対応

コミュニティに関する取組

(12)イベントでの取組と結果の公表:パネルによる取組の紹介、結果の公表
(13)スタッフへのサステナビリティの意識付け:事前オリエンテーションを実施
(14)地域に根差した、次世代によるアトラクションの実施:都内大学による書道パフォーマンス

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また、CO₂排出量予測ツールを活用し、当日のプレゼンテーション及びパネル展示にて、本ショーケ-ス開催によるCO₂排出量を「公開」しました。

その結果、本イベントにおけるCO₂排出量は33.858t-CO₂、参加者一人あたり0.146t-CO₂となりました。なお、CO₂排出量の削減努力を行い、食事メニューは約55%、廃棄物に関しては約90%削減することができました(削減取組を行わなかった場合との比較)。その上で、やむを得ず排出されたCO₂等に対しては、カーボンオフセットプロバイダーからクレジットを購入することにより、カーボン・オフセットを行いました。

<主催者・事業者の皆さまへ>
サステナブルなMICE開催に係る各種取組についてはこちらのページをご覧ください。